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広面野添の家

マテリアル解説 その8-小窓編

断熱性能の良い住宅が増えてきました。私は大学を卒業してから入った事務所が西方設計ということもあり、断熱住宅しか設計したことがありません。断熱性能の良い住宅には断熱性能の良いサッシが必要です。断熱性能は温熱環境に対して効果がありますが、使用勝手はどうでしょう。あまり気にされてない設計者も多いのですが、実際に住み始めると意外に不便を感じる事になります。私が実体験していますから。断熱性能は冬の間に効果を感じます。初夏から秋までは使用勝手の良し悪しが問われます。つまり断熱性能と使用勝手の両方から検討する必要があるのですが、経験の少ない設計者はカタログでより隙間の少なくなるサッシに目が行ってしまいます。主に縦軸回転突き出し系のサッシがそうですが、この手のサッシ、窓を開けるのに戸を突き出す操作が必要です。問題なのは網戸。窓(戸)を開けっ放しという事はまずなくて、防虫のため網戸を併用しますよね。突き出し系の窓はその網戸が窓より内側にあるので、網戸を操作してからでないと窓(戸)を閉める事ができないのです。もし、網戸に蛾や蚊がついていたら、窓を閉めようと網戸を開けた途端に部屋に入り込みますね。これが夏の間ほぼ毎日。私が採用しているサッシはドレーキップ。内開き系の窓です。隙間も縦軸系と変わりませんし、窓の外側に網戸がありますから、開閉で網戸を操作する必要もありません。しかも内側に倒して少し隙間を作って換気することや、ドアのように大きく開いて換気、ガラスの掃除などもできます。昔はドレーキップ系は割高でしたが、今はメーカーによりますがそうでもありません。使い良いと思います。性能と機能と両方を考慮して設計することが大切という事が良くわかるポイントで、内覧会にいらした事がある方にはよく説明させてもらっています。

閉状態
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キップ状態 内側に倒れ少し隙間ができ通風します。
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ドレー状態 内側に窓が開いて大きな開口。この状態で網戸が外側についているので、防虫対策はできている。ガラスの外側の掃除が可能。

広面野添の家_e0148212_16261576.jpg










by ihao | 2020-05-07 16:35 | 新築 | Comments(0)

1級建築士のブログ


by IMAI HIROKZU
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