工事が進んで、確認に。
外部の杉板が貼り終わり、これからウッドロングエコを塗布していきます、すっぴんの木肌の状態は見納めとなりますね。
建物の印象を決定する外観は、建築計画の重要な要素。街並みに対して印象と内包する空間の構成、両方に配慮しバランスのとれた計画が必要であると考えています。内部優先であまりに外部を意識していない家もありますよね、ある意味、外面も重要です。外観で一番重要なのはプロポーション。つまりは形態としてのヴォリュームのバランスであると考えています。それを決定しているのがヒューマンスケール。これは人間の大きさにあっているのか否か。建物に寄り付きやすさ、親しみを持てるサイズ感なのかといったところです。
この家では写真手前が道路で建物の南側となります。道路に対して切妻面(三角の屋根)が見える形態としています。初期段階の設計では屋根の向きが逆の桁(屋根の水下の水平な部分)が道路に向かう計画としていました。アプローチ方向、つまり道路に対して水平ラインを見せる方が個人的には好きというのもありますが、桁を見せることで高さを抑えた印象となり、寄り付き、親しみを持てる様にと考えていたからです。ただ、内部空間、建物のバランスを考えていくうちに、途中で屋根の向きを変更しました。道路に対して壁面が大きくなり、威圧的にならない様に配慮しながら。
建物の正面からみるとその配慮の一つが解ります。2階の屋根のスタートする位置を下げる。こうする事で屋根全体の高さを下げて行きます。階高自体も下げてますから、他の家からみると全体として60センチくらいは下がってると思います。もちろん内部空間に支障がないよう配慮もしています。
裏に回ってみましょう。切妻屋根が2段になっています。下がっている部分は2階から1段落ちたフロアレベル。つまり階段の途中から出入りする部屋となります。ちょうど1階部分が水回りということもあり、階高がそれほど必要もないのことで実現できています。あえてそうしたのではく、プランの制約上や階段の必要段数、または階段の1段あたりの高さなど色々な条件をクリアするための設計手法の一つです。外観的にも三角屋根が連なる感じは美しく見えると思います。

建物への寄り付きやすさは、アプローチの下屋を配備することで高さを低くし、ヒューマンスケールとなるようにしています。少し広めにしていますので、お子さんの自転車など置くにもちょうど良い感じになりました。
三角屋根の一般的な住宅ですが、プロポーションを整理するため、いろいろな設計手法を使っています。設計手法はその建築士により考えかたや見せ方が様々です。一番違いが出るところかもしれませんね。