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大潟村の家 内覧会

今回内覧会を行う大潟村の家
部屋の暖かさ、涼しさなどの機能的な仕組みの部分を少し説明したいと思います。外気温から部屋を守るためには断熱材が必要です。現在、断熱材は様々な種類が発売されていますが、それぞれ断熱性能、透湿性、比熱それと施工性、価格が違います。同時に、環境負荷といった面も考えたい部分です。Youtubeで解説している方もいますが、ある一面だけ取り上げて断定している事例が多く、危険な思考だと思って見ています。高断熱住宅に携わって30年以上なりますが、性能、価格、環境性など総合的に一番良いと思われる組み合わせで設計、提案しています。
今回の組み合わせは
屋根:セルロースファイバーブローイング50k 350ミリ 熱抵抗8.75㎡K/W
外壁:高性能グラスウール24-35 210ミリ 熱抵抗6.0㎡K/W
基礎立上:パフォーム+フェノバボード 160ミリ 熱抵抗6.09㎡K/W
基礎下:スタイロフォームE X 50ミリ 熱抵抗1.78㎡K/W
マニアな方は数字を気にすると思いますので参考にして下さい。ただし、前記したように判断基準は断熱性能だけでありません。最近、屋根断熱をグラスウールからセルロースファイバーに変更しました。断熱性能ではグラスウールを入れた方が多少性能的に有利になりますが、比熱と施工性の違いによります。特に比熱はグラウウールに対して約6倍になります。昔は高いイメージがあったセルロースでしたが、最近は価格差も少なくなり使いやすくなりました。

冬の暖房を考えた時、温まった空気は上へ上へと上昇しますので、2階は自然に温まりやすい環境で、今回は2階がリビングですので温熱的には有利です。逆に夏も暑くなりやすい、そこは比熱容量のあるセルロースに踏ん張ってもらう計画です。問題は1階部分にある各個室への熱分配。1階がリビングの場合は間仕切壁も少ないので熱の横移動もさせやすいですが、個室が並ぶとそうも行きません。各部屋にエアコンというのも解せない。床下空間をチャンバー室として利用してそこにエアコンからの温風を拭きだし、各部屋に分配する「床下エアコン」を採用しました。気になるのは床下の空気の汚れ、せっかくの暖房でも床下の空間が汚れていては気持ちよくありません。そこで空気清浄する為にトルネックスという空気清浄機を入れました。エアコンから吹き出した空気はトルネックスで浄化してから各室に分配、その分配を助けるのはブースターファンという小型のファン、これで各部屋へ暖気の上昇気流を促し部屋を温める方式です。

トルネックス空気清浄機は、静電気のようなプラスとマイナスの作用でチリ、埃、ダニ、花粉、カビ菌、ウイルスを吸着させる。
大潟村の家 内覧会_e0148212_11405551.jpeg

各部屋のブースターファン、ガラリは純正ではなく質感の良い木製へ変更
大潟村の家 内覧会_e0148212_11410736.jpeg


by ihao | 2023-12-15 10:57 | 新築 | Comments(0)

1級建築士のブログ


by IMAI HIROKZU
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