「ふつう」深澤直人 著
2025年 02月 12日
深澤直人 「ふつう」
デザイン関係の本が多いD &DEPARTMENTからの出版
世界的にも有名なプロダクトデザイナーの深澤さんが「ふつう」の良さについて書き綴った本です。深澤さんのプロダクトは誰しも見たことがあると思うし、何気なくすでに所有していたりします。この本は、住宅について書かれている訳ではないのですが、デザインの思考について書かれていますので、これから住宅を考えている方にもとても参考になる本だと思います。
デザインというと形や色を目立たせるための作業と思っている方の方が多いと思います。建築設計デザインについても然り。(建築は公共、商業、プラント、住宅によってデザインに求められるスタンスは変わってきますが、今回は住宅建築についてです)
私の場合、大学で建築を学び、その後社会へ出て建築設計をしていたのですが、良い建築ってなんだろう?いい家ってなんだろう?デザインってなんだろう?と模索する日が続きました。ある程度見えてくるまで何年もかかりました。これから家を求めようと思っている方は、住宅建築についてモデルハウスやネットなどのいろいろな媒体で日々探し、知識を身につけていると思います。初めは見た目の派手なものに、いかにもデザインされているものに目が行くと思います。どうせ一生に一度のものだったら後悔したくないとの思いから。でもどうでしょう、住宅建築は長く使うものです。商業建築の一時でも目だった方が良いとされる建築とは時間軸に対するデザインが全く違っています。ぜひ、そんな方にこの本を読んでいただきたですね。腑に落ちるところがたくさんあって、ものに対するデザイン的見方が整理される事でしょう。
私は、住宅デザインにおいて、常々その作為を見られない様にしたいと思っています。無作為なる作為です。いかにもここデザインしちゃってるというのが見えると、恥ずかしい。以外にも、いいものって気が付かないのではと感じています。逆になんでこんななっているとか悪いところ、変なところは気がつきやすいものです。深澤さんの「ふつう」を読んでますますそう思いました。

by ihao
| 2025-02-12 15:31
|
Comments(0)